出発前,私は「マレーシアに行くメンバーや出会う人と,絆を深めること」を目標にしました。自分からコミュニケーションを取るのが得意ではないと思っていたからです。そのために自分から積極的に話しかけること,いつも笑顔でいることを心に決めました。
マレーシアに着いて最初の日は,トイレや食文化も全く違うことに驚きました。初めてのホームステイの日,私は思った以上に家族との言葉が通じない事にショックを受けました。家族同士の会話が中国語だったので何を言っているのかほとんど分からず,孤独で正直日本に帰りたいと思うほどでした。そんな私にホストファミリーは明るく優しく私に接してくれました。ジェスチャーを交えながら伝えようとすると,ホストマザーは,笑顔でうなずき,一生懸命に分かろうとしてくれました。
ガンと呼ばれていたホストの高校生は,片言の日本語で「大丈夫、大丈夫。」と明るく励ましてくれました。ガンはいつも明るく気遣ってくれ,「どこに行きたい?」「何が食べたい?」と私に分かるような英語で話してくれました。次第にホストファミリーと過ごす時間も楽しい時間になりました。
セントフランシス学院では,大歓迎を受けました。一番嬉しかったのは,私達がソーラン節を披露した後,掛け声や手拍子で盛り上げてくれたことです。私たちのことをとても受け入れてくれていると感じることができました。現地の高校生はいつもフレンドリーで明るく話しかけてくれるので,いつの間にか私も素の自分を出せ,表情豊かに楽しく過ごせるようになりました。
私は,言葉が通じ合わなくても,分かろうと努力したり盛り上げようとしたりすることで心が通じ合うんだなと思いました。
マレーシアに一緒に行った10人の仲間がいなければ私はこのホームステイを乗り越えられなかったと思います。ソーラン節の練習を始めた頃はみんなバラバラな感じがありましたが,いつも自然に集まるほど仲良くなりました。
お別れパーティでは,みんなで掛け声をいいながら乾杯しました。この10人の仲間やSFIの仲間,ホストファミリーとも別れたくない,心からそう思いました。1カ月前は顔も知らなかった人たちとこんなに絆が深まったことに感動しました。
私はこのホームステイで,言葉や文化が違ってもお互いを理解しあおうとする気持ちがあれば壁を乗り越えて分かりあうことができるんだということを実感しました。私はコミュニケーションが苦手と思っていましたが、お互いを理解しあおうという気持ちがあれば自然に笑顔が生まれます。
霧島市とマラッカ市の交流も,ザビエルと弥次郎の出会いがきっかけです。人とのつながりが歴史までも動かすのです。私もお互いを理解し合う気持ちを大切にしていきたいです。
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